~築200年 古民家での暮らしの営みを、後生へ~


続き間の和室
繊細なデザインの中仕切り筬欄間格子には、
桐材にて槍掛けを造作して、コレクションの槍を飾りました。
最深の奥座敷には床の間があり、美しい意匠の付書院や障子、
書院甲板など当時の建築意匠の素晴らしさを後世に伝えています。

趣ある暮らしを大切に紡いでいく
和室と平行にして、長く続く縁側。昨今では1部屋ごとの面積保持のために
このような間取りの縁側や廊下は少なくなってきています。竿縁天井は杉材で一新、
和室の雪見障子も新設。天井付きの照明器具は、木製でレトロ感が満載です。
ふわりと揺れるレースカーテンが、重厚感のある古民家へ抜け感を演出しています。

御明神様の祠お直し
敷地内に祀られる、御明神様の祠。既存の祠は腐食が激しく、朽ちた為の造り替えでした。
爽やかなグリーンの銅板屋根に、真新しい全ヒノキ造りの祠と御宮様へと生まれ変わりました。
古くからこの場所で土地とご家族を見守ってこられた御明神様は、これからも変わらずに
そっと優しく見守り続けてくれます。

一部造り替え ✕ 生かしていくこと
納戸上段の収納板戸が壊れた為 地袋はそのままに、傷んでいる箇所のみを
部分的に修繕を施しました。木部の仕上げには柿渋とベンガラを使用し、
濃淡を既存部分と馴染むよう全体のバランスへ配慮しました。
より年月をかけて木部が飴色になっていくと共に、さらに落ち着いた
設えになっていきます。

永く大切に、住み継いでいく
約築200年の古民家は、福島県南相馬市小高地区に有ります。
既存の立派な梁や板戸や障子など、古き良き物は永くこれからもお使い頂くために、
丁寧に削りや調整をし直し再利用。既存の雰囲気を残しながらも、
現代へ住み継いでいくということを大切にしながら建築しました。
良い物はいつの時代も、良い物であるとそう感じさせてくれるようです。
「古民家再生物語」プロジェクトは、職人達が一つ一つ手間を惜しまず、
約10ヶ月の歳月をかけて2016年に完工しました。
お時間宜しければ、是非チェック✅してみて下さい。
【徳田工務店 日々日常Blog】